あらすじ
「人を空へ浮かべる風の糸。しかし、その奇跡には冷たい代償があった——」 厳しい山岳地帯の村で、風の気流を織り込んで宙に浮く「風紡ぎのストール」を作る若き織り手アリン。遭難者を救いたい一心で、アリンは禁忌とされる高出力のストールを密かに織り上げる。 しかし、風を強引に従える力は、身につけた者の呼吸を奪い、記憶を削り取るという恐ろしい「風の負債」を村にもたらしていた。 アリンの無謀な救出劇は、やがて村全体を巻き込む大災害への引き金となってしまう。 「ただ救えばいいわけじゃない」 自然への畏怖と自らの傲慢さに気づいたアリンは、誰かを支配するためではなく、命を守り抜くための「本当の織り方」を探し始める。 過酷な大自然を舞台に描かれる、責任と喪失の人間ドラマ。
