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記事一覧に戻る更新日: 2026/7/25
コラム

「読める聞ける」の次へ——TOEIC S&Wという静かに伸びている選択肢

TOEICといえばリスニングとリーディング。でも、履歴書のスコア欄が同じ「L&R」で並ぶ時代に、一歩差をつける方法があります。

「話せる・書ける」を数字で証明する——TOEIC Speaking & Writing Tests(S&W)です。


S&Wは「少数派の証明書」

IIBCの発表によれば、2024年度のTOEIC L&R受験者が日本で約193.5万人であるのに対し、S&Wの受験者は約3.9万人。受験者数には大きな開きがあります。

これは見方を変えれば、チャンスです。L&Rのスコアは多くの人が持っているため、比較の土俵が混み合っています。一方S&Wのスコアは持っている人自体が少なく、「アウトプット力を客観的な数字で示せる」だけで目立てるのが現状です。

企業側の期待値も公開されています。IIBCの資料では、海外部門の社員への期待として、Speaking 140点、Writing 150点という平均値が紹介されています。また、昇格要件にTOEIC L&R 730点とあわせてSpeaking Test 130点を設定している総合商社の事例も紹介されています。「話せる証明」を制度に組み込む企業は、確実に存在するのです。


L&RとS&Wは「対立」ではなく「順番」

「これからはスピーキングの時代だからL&Rは古い」という物言いを見かけますが、これは正確ではありません。第二言語習得の研究では、聞く・読むインプットが習得の土台になるとする立場が古くからあり(Krashen, 1982)、話す・書く力は、その土台の上に育ちます。

実際、スピーキングで使える語彙や表現は、それまでに読んで聞いて蓄積したものの中からしか出てきません。だから現実的な順番はこうです。

1. L&Rでインプットの土台を測り、育てる

2. 土台がある程度できたら(目安として600〜730点前後)、S&Wでアウトプットを測り始める

3. 両方のスコアを並べて、4技能を証明する

L&RとS&Wの両方を受験することで英語コミュニケーション能力を総合的に示せることは、IIBCの就活向け資料でも紹介されています。


S&W対策は、実務練習そのもの

S&W対策の面白いところは、試験勉強がほぼそのまま実務トレーニングになることです。写真描写や意見陳述は会議での発言の練習に、Eメール作成課題は日々の英文メールの練習になります。

  • 音読・シャドーイングで「口を動かす」量を確保する
  • 書いた英文を声に出して読み、詰まる箇所を修正する
  • L&Rで出会った表現を、自分の話題で使ってみる——インプットをアウトプットに変換する練習が、最も効率的です。

「話せる証明」は先行者利益のあるうちに

S&Wの受験者は約3.9万人。この数字が意味するのは、「話せる・書ける」の客観証明を持つ人がまだ少ない、ということです。市場で証明書の価値は、希少なうちが最も高い。

L&Rのスコアがひと段落したら、次の一手としてS&Wを覗いてみてください。あなたの英語力の「もう半分」を、数字にする準備はできています。


参考文献

投稿日: 2026/7/9更新日: 2026/7/25