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記事一覧に戻る更新日: 2026/7/25
コラム

海外出張のメンバー選び、何で決まる?——5〜6割の企業がスコアを参考にする現実

「来月のシンガポール出張、誰に行ってもらおうか」——会議室でそんな話になったとき、あなたの名前は候補に挙がるでしょうか。

海外出張のメンバー選定は、実は「なんとなく」では決まりません。TOEICを運営するIIBCの資料では、「英語活用実態調査【企業・団体/ビジネスパーソン】2022」に基づき、海外出張者の選抜において5〜6割の企業がTOEICスコアを活用(要件・参考、またはその可能性を含む)していると紹介されています。

つまり、出張の人選が行われるその瞬間、人事データベースのスコア欄が静かに参照されている可能性がある、ということです。


出張は「英語の実地試験」ではない

誤解されがちですが、企業は「英語がペラペラな人」を探しているわけではありません。海外出張で求められるのは、多くの場合、次のような場面を乗り切る力です。

  • 空港・ホテル・移動でのやり取り
  • 現地スタッフとの簡単な打ち合わせや挨拶
  • プレゼン資料や議事メモの読み書き
  • 会食での雑談

これらは高度な交渉力というより、「英語の場面でフリーズしない基礎体力」に近いものです。だからこそ企業は、面接で英語力を測る代わりに、客観的な指標としてスコアを参考にします。スコアは完璧な物差しではありませんが、「この人なら現地で最低限のやり取りができそうだ」という判断材料としては十分機能するのです。


「行ける人」になると、仕事の景色が変わる

海外出張の経験は、単なる旅の思い出ではありません。現地の市場を自分の目で見る、本社では会えない相手と名刺を交換する、時差と闘いながら一つの案件をまとめる——こうした経験は、その後のキャリアで「海外案件ならあの人」という評価につながっていきます。

そして最初の一歩は、多くの場合「候補リストに載ること」です。リストに載るかどうかを分けるのが、日頃の実績と、そして客観的に示せる英語力なのです。


基礎体力は日々のインプットで作る

出張で必要になる「フリーズしない力」は、一夜漬けでは身につきません。研究の世界では、自分のレベルに合った英文を大量に読む多読が読解力を向上させることがメタ分析で報告されており(Nakanishi, 2015)、読む力と聞く力の土台となる語彙は、繰り返し英語に触れる中で育つとされています(Webb, 2007)。

  • 通勤時間にやさしい英文を読む・聞く
  • 週に一度、仕事に関係する英語記事に目を通す
  • 定期的にTOEICを受けて、伸びを記録しておく

こうした小さな習慣が、「いつか来る出張の打診」への備えになります。


指名は、準備している人に来る

海外出張のチャンスは、「英語を勉強し終えた人」を待ってはくれません。案件が動いたその日に、行ける人のところへやってきます。

5〜6割の企業がスコアを見ている——この現実は、裏を返せば「スコアを持っているだけで候補に残れる場面がある」ということでもあります。次にあの会議室で名前が挙がるのは、今日から準備を始めたあなたかもしれません。


参考文献

投稿日: 2026/7/9更新日: 2026/7/25