OMNITELLER記事一覧
記事一覧に戻る更新日: 2026/7/25
コラム

国家公務員を目指すなら知っておきたい——TOEIC730点で「25点加算」という制度

国家公務員の採用試験に、「TOEICのスコアを持っているだけで得点が加算される」制度があるのをご存じですか。

これは噂ではなく、人事院が公式に定めている仕組みです。国家公務員採用総合職試験(院卒者試験・大卒程度試験)のすべての試験区分で、外部英語試験のスコアに応じて総得点に加算が行われます。


制度の中身:600点で15点、730点で25点

人事院の公表資料によれば、制度の概要は次のとおりです。

  • 対象: 総合職試験(院卒者試験・大卒程度試験)の全試験区分
  • 活用される英語試験: TOEFL(iBT)、TOEIC(Listening & Reading Test)、IELTS、実用英語技能検定(英検)の4種類
  • 加算点: TOEIC L&Rの場合、600点以上で15点、730点以上で25点を最終合格者決定の際に総得点へ加算
  • 有効期間: 試験年度の4月1日から遡って5年前の日以後に受験したスコアが対象
  • 注意点: 団体特別受験制度(IPテスト)のスコアは対象外。公開テストの公式認定証(Official Score Certificate)が必要

この制度は平成27年度の試験から導入されており、行政の国際化に伴い、政策の企画立案にも一定の英語力が求められるようになったことが背景として説明されています。


「25点」の重みをどう見るか

総合職試験は、合格ラインの周辺に多くの受験者がひしめく競争試験です。その中での25点は、決して小さな数字ではありません。

しかも、この加算には他の科目と違う特徴があります。試験当日の出来に左右されないということです。筆記試験は当日の体調や問題との相性に影響されますが、英語試験の加算点は、事前に確保しておけば確実に積み上がります。いわば「持ち込み可能な得点」です。

さらに、TOEICのスコアは公務員試験のためだけのものではありません。仮に進路が変わって民間就職に切り替えたとしても、採用時にスコアを要件・参考にする(または今後その可能性がある)企業は73.6%にのぼると紹介されており、努力が無駄になりにくい投資だと言えます。


逆算スケジュールのすすめ

注意したいのは、スコアの提出タイミングです。加算を受けるには第2次試験(人物試験)の際に公式認定証を持参する必要があり、受験から認定証の到着までの期間も考慮しなければなりません。

  • 受験年度の前年までに一度は公開テストを受けておく
  • まず600点(15点加算)を確保し、その後730点(25点加算)を狙う二段構えにする
  • スコアは5年間有効なので、大学1〜2年のうちに取っておくのも有効な戦略

語彙や読解の力は短期間では伸びにくいことが研究でも示されています(Nation, 2006)。試験勉強が本格化する前の、時間に余裕がある時期にこそ、英語の貯金を作っておきましょう。


努力が「制度として」報われる

英語学習のモチベーションが続かない理由の一つは、成果が見えにくいことです。その点、この制度は明快です。600点なら15点、730点なら25点——学習の成果が、そのまま試験の得点になります。

国家公務員という進路を考えている人にとって、TOEICは「就職後に必要になるかもしれないもの」ではなく、「合格そのものを近づける道具」です。まだスコアを持っていないなら、願書より先に、受験申込を検討してみてはいかがでしょうか。


参考文献

投稿日: 2026/7/9更新日: 2026/7/25