TOEICで大学に入れる?——全国390校が入試で使う「もうひとつの受験票」
大学入試といえば、赤本と過去問の世界——そう思っていませんか。実は、TOEICのスコアが「入試の武器」になる大学が、全国にたくさんあります。
TOEICを運営するIIBCの調査によれば、2025年度入学試験では、調査対象786校のうち390校がTOEIC Programを入試で活用しています。約半数の大学で、あのスコアシートが受験書類の一部になり得るのです。
「活用」の中身はいろいろある
一口に「入試で活用」といっても、使われ方はさまざまです。IIBCの資料では、主に次のような活用方法が挙げられています。
- •出願資格: 一定スコア以上で出願できる(総合型選抜・学校推薦型選抜など)
- •判定優遇・合否参考: 合否判定の際にスコアを考慮する
- •試験免除: 英語試験そのものが免除される
- •得点換算: スコアを英語試験の得点に換算する
- •加点: 総得点に上乗せされる
たとえば「英語試験免除」が使えれば、当日は他科目に集中できます。「得点換算」なら、事前に確保したスコアが安定した得点源になります。入試当日の一発勝負だった英語を、何度でも挑戦できる事前準備に変えられる——これがスコア活用の最大の魅力です。
高校生のうちに受ける価値
「TOEICはビジネスパーソンの試験」というイメージがあるかもしれません。確かに題材はオフィスや日常のやり取りが中心ですが、それは裏を返せば、大学入学後や就職後にそのまま役立つ英語だということです。
しかも、大学入試で終わりではありません。大学入学後は単位認定に使える大学があり、就職活動では採用時にスコアを要件・参考にする(または今後その可能性がある)企業が73.6%にのぼると紹介されています。高校時代の学習が、入試・単位・就活と、少なくとも三度おいしい投資になるわけです。
スコアを入試に間に合わせる段取り
入試での活用を考えるなら、スケジュール管理が重要です。
1. 志望校の募集要項を早めに確認する: 対象となるテスト(公開テストかIPテストか)、必要スコア、スコアの有効期限は大学ごとに異なります。
2. 高2までに一度受けてみる: 現在地がわかれば、出願までに必要な伸び幅が逆算できます。
3. 語彙と多読で土台を作る: 読解力は一夜漬けでは伸びません。やさしい英文を大量に読む多読が読解力向上に効果的であることは、メタ分析でも報告されています(Nakanishi, 2015)。日々の積み重ねがスコアの土台になります。
受験勉強と英語学習を「一本化」する
入試のための英語と、将来のための英語を別々に勉強するのは、もったいない話です。TOEICという物差しを使えば、この二つは一本の道になります。
模試の判定に一喜一憂する日々の中で、「もう一枚の受験票」を先に確保しておく——それは学力の証明であると同時に、心の余裕にもなるはずです。志望校のリストを眺めるとき、募集要項の「外部英語試験」の欄も、ぜひチェックしてみてください。
参考文献
- •IIBC「入試・単位認定におけるTOEIC Programの活用状況」 https://group.iibc-global.org/data-resources/data/admission-and-credit-appraisal
- •IIBC「データでみるTOEIC Tests」(就活サポート特集) https://www.iibc-global.org/toeic/special/job/data.html
- •Nakanishi, T. (2015). A meta-analysis of extensive reading research. TESOL Quarterly, 49(1), 6–37. https://doi.org/10.1002/tesq.157