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記事一覧に戻る更新日: 2026/7/25
コラム

大学院入試にもTOEIC——調査92校中77校が活用しているという事実

大学院入試の英語対策、何をすればいいか迷っていませんか。実は多くの大学院で、その答えは「TOEICのスコアを用意しておく」です。

TOEICを運営するIIBCの調査によれば、2022年度の大学院入学試験では、調査対象92校(746研究科)のうち77校(275研究科)がTOEIC Programを活用しています。学部入試以上に、大学院入試では外部英語試験の存在感が大きいのです。


なぜ大学院はTOEICを使うのか

大学院入試で外部試験の活用が広がった背景には、実務的な理由があります。

  • 専門科目に集中してもらえる: 入試の限られた時間を、研究計画や専門知識の評価に使えます。
  • 英語力を安定して測れる: 一回の学内試験より、標準化されたテストのほうが測定として安定します。
  • 受験者側も準備しやすい: 過去問が手に入りにくい学内英語試験と違い、対策の道筋が明確です。

受験する側から見ると、これは大きなチャンスです。入試当日の英語一発勝負が、事前に何度でも挑戦できる持ち点方式に変わるからです。納得のいくスコアが出るまで受け直し、ベストの成績で出願できます。


研究生活でも英語は「毎日の道具」になる

大学院入試のためのスコアは、入学後にそのまま生きてきます。研究の世界では、主要な論文の多くが英語で書かれています。先行研究を読む、国際学会の発表を聞く、英語で要旨を書く——英語は「入試科目」ではなく「研究の道具」になります。

ここで効いてくるのが読解の基礎体力です。研究では、外国語の文章を辞書に頼らず快適に読むには、テキスト中の語の約98%を知っている必要があると報告されています(Hu & Nation, 2000)。また、幅広い英文の読解には8,000〜9,000語族規模の語彙が必要になり得るとする推定もあります(Nation, 2006)。これらは、入試前の数か月だけでは届かない数字です。

つまり、大学院を視野に入れた英語学習は、早く始めるほど「入試対策」と「研究準備」を同時に進められることになります。


出願までの現実的なロードマップ

1. 志望研究科の募集要項を確認する: 対象テスト(公開テスト限定か)、スコアの提出期限、有効期限(2年以内の成績を求める例が多い)は研究科ごとに異なります。

2. 出願の1年前から受験を始める: スコア提出は出願時です。試験直前の受験はスコア返却が間に合わないリスクがあります。

3. 論文英語に多読で慣れる: やさしい素材からの多読は読解力を向上させることがメタ分析で報告されています(Jeon & Day, 2016)。研究分野の入門的な英文記事を読むのも一石二鳥です。


スコアは「研究への片道切符」ではなく定期券

大学院入試のTOEICは、通過儀礼ではありません。そこで身につけた語彙と読解の体力は、修士・博士の数年間、毎日の文献読みであなたを支え続けます。

進学を少しでも考えているなら、研究計画書より先に、TOEICの受験計画を立ててみてください。それは入試対策であると同時に、研究者としての最初のトレーニングでもあるのです。


参考文献

投稿日: 2026/7/9更新日: 2026/7/25