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記事一覧に戻る更新日: 2026/7/25
コラム

転職市場で英語はどう見られているか——中途採用の期待スコア480〜685点を読む

転職サイトの求人票で「TOEIC○○点以上歓迎」の文字を見て、そっとページを閉じたことはありませんか。

英語要件は、転職を考える人にとって気になる存在です。では実際のところ、企業は中途採用者にどの程度の英語力を期待しているのでしょうか。公式データから、その相場観を読み解いてみます。


中途採用の期待レンジは480〜685点

TOEICを運営するIIBCの資料では、「英語活用実態調査【企業・団体/ビジネスパーソン】2022」に基づき、企業が中途採用の社員に期待するTOEIC L&Rスコアとして480〜685点というレンジが紹介されています。

このレンジの読み方には少しコツがあります。

  • 480点前後: 英語が主業務ではないポジションでも、「最低限の素地」として期待されることがあるライン
  • 685点前後: 英語を使う場面が想定されるポジションでの期待ライン
  • なお、海外部門では605〜805点と、さらに高いレンジが示されています

新卒の期待レンジ(460〜640点と紹介)よりも中途のほうがやや高めなのは、即戦力性への期待の表れと考えられます。中途採用では「入社後に育てる」余白が小さいぶん、持っているものがそのまま評価されるのです。


転職におけるスコアの本当の役割

転職市場でのTOEICスコアには、新卒就活とは違う意味合いがあります。

第一に、キャリアの「掛け算」を証明する材料になります。 経理×英語、エンジニアリング×英語、営業×英語——専門性に英語が掛かると、応募できる求人の幅が広がります。実際、IIBCの調査では、企業がビジネスパーソンに重要と考えるスキルとして英語が74.5%で挙げられたと紹介されています。

第二に、「学び続けられる人」であることの傍証になります。 働きながらスコアを維持・更新している事実は、自己管理能力と学習習慣の証明として機能します。

第三に、選考の初期段階を突破する鍵になります。 書類選考では、面接と違って人柄を伝えられません。数字で示せる能力は、書類の段階でこそ強く効きます。


働きながらスコアを作る現実解

転職準備の英語学習は、時間との戦いです。まとまった勉強時間が取れない社会人にこそ、研究が支持する「継続型」の学習が向いています。

  • 通勤時間の多読・多聴: 多読が読解力を向上させることはメタ分析で報告されています(Nakanishi, 2015)。1日20分でも、半年で相当な量になります。
  • 読む速さを育てる: 快適に読める易しめの素材を大量に読むことで読解速度が向上したという研究があります(Beglar, Hunt & Kite, 2012)。TOEICのリーディングは時間勝負でもあるため、この効果は直接スコアに響きます。
  • 受験日を先に決める: 「いつか受ける」は永遠に来ません。3か月後の受験日を申し込んでから、逆算で計画を立てましょう。

「いつでも動ける自分」を作っておく

転職は、するかどうかを決めてから準備するものだと思われがちです。しかし実際には、準備がある人だけが「する・しない」を自由に選べます。

480〜685点というレンジは、裏を返せば「このあたりのスコアを持っていれば、多くの求人で英語がネックにならない」という目安でもあります。今の会社に残るにしても、その英語力は無駄になりません。求人票をそっと閉じる代わりに、受験申込のページを開いてみませんか。


参考文献

投稿日: 2026/7/9更新日: 2026/7/25